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90年代に80年代の音楽を聴いていたこと

私は、もう最近の音楽なんて知りません。本気で知りません。

元々が音楽を聴き始めた若い頃からそれは顕著でした。
私がまだハナタレがきんちょであった90年代始めというのは、
「グランジ」というジャンルが猛威を降るっていた時代。

勿論ニルヴァーナとかシアトルのバンドが最も勢いのある時代でした。
でも、学校に行ったってそっち系というか洋楽聴いてた子とかは
そんなに居らず(邦楽聴いてる子のほうが既に多かったのです)、
学校でも浮き気味というか殆ど学校に真面目に通っていなかったのもあり、
当時はipodなんていう洒落たものも無かったのでウォークマンで音楽聴いてました。

そして、そういう痛い子(私みたいなやつ)が聴いていたのは、
何を思ったのかグランジを遡る事十数年、ニューウェイヴ、だったのです。
最近の音楽や!とか思っていたのもグランジ流行する前から結成されていた
ソニック・ユースやマッドハニー、ダイナソーJR、と言ったバンドばかり。

ニューウェイヴなんて聴いてる子は益々居なかったので
本当に肩身の狭い思いを致しました。
早い話、当時から最近の音楽を全く知らないハナタレがきんちょ。

ですので周りのクラスメートたちが例えば洋楽ならテイク・ザットとかマドンナ様とか
所謂大売れ大メジャー路線の方々に夢中になっていた頃、私は情けない事に
バウハウスとかキュアーとかスージー・アンド・ザ・バンシーズとか
エコー・アンド・ザ・バニーメンとかバースデイ・パーティーあたりに
もう本当に何故か、って感じで夢中だったのです。ここだけ見てもゴスっ子です。

それに伴って趣味で疎外されるという学生生活では最早致命的な事柄に
ぶつかってしまったのもあり、少しクラスでも浮き気味だった私は、
どんどん学校に通うのも面倒くさくなって来て、遂には登校拒否に。
上記しましたが殆ど真面目に学校に通う事も無くなりました。

そして、片田舎のレコ屋、勿論ツタヤとかですが
そういうところでは全くニューウェイヴのCDとかレコードが
見つからない!という不満があり、その不満自体徐々に大爆発の様相を呈して来て
そろそろ心斎橋にでも行くか...となりました。

そんな時に見つかったのが、当時心斎橋に小さな御店を構えていた
「VELVET MOON」、という何ともロマンティックで美しい屋号のレコード屋さん。
その御店に何の気無しに入ったら。まさに私の天国でした。

その御店は、グランジのレコードとかも置いている事は置いているのですが
メインとなっていたアーティストがそのものズバリ、ニューウェイヴのアーティスト!
私からすれば置いてあるレコード全てが宝の山。

しかも妙なプレミアも付いておらず、レコード漁り初心者にも
たいへん優しい値段設定。そして何より、スタッフの方が本当に親切だったのです。
その頃の私のアイドルは、ニック・ケイヴファミリーを一通り聴いてしまっていて
中でもとりわけローランド・S・ハワードさんがめちゃくちゃ御気に入り、という
状態でしたので一目散にローランドのレコードが置いてある棚へ突進!

今でも忘れられません、その時初めてスタッフの方が
「そんなに御若いのに、ローランドが好きなんですか?NWもですか?」と
話しかけて下さって。御綺麗な女性のスタッフさんだったので、
「はい!大好きなんです!」と。

そこから、というかそのVELVET MOONというレコード屋さんを知ってから
私の人生は一変しました。毎週、若しくは毎月数回程度のペースで
少ない小遣いを握り締め、スタッフさんが御勧めして下さったり、
自分でうーむうーむと悩みながらレコードを漁る日々が始まったのです。

90年代によりによって80年代の音楽を聴いて居た不憫とも言える
ヲタ少女は、一軒のレコード屋さんによって、益々ヲタの道へ進んでしまいました。
黒い服を着てウロウロするようになったのもこの頃。
十五年遅れて来たゴスっ子は、果たして。

(このカテゴリは断続的に継続致します)
by mummiemummie | 2013-03-05 23:48 | ヲタ少女、ヲタ中年へ